光学博物館設立準備活動
日本光学会では、2024年4月に、光学博物館準備委員会(正式名称:光学博物館設立準備産学連携専門委員会)を発足させ、光学博物館設立に向けた検討を開始しました。まだ手探り状態ですが、3年間をかけて光学博物館の設立可能性を検証する予定です。
光学博物館準備委員会代表のメッセージ

委員長(代表):槌田博文
日本は、世界の中でドイツと並ぶ光学王国と言っても過言ではないと思います。ところが、これだけ光学がさかんな日本にもかかわらず、光学博物館はまだありません。日本における光学機器は、明治時代を黎明期として、先人達の熱い思いとたゆまぬ努力によって発展してきたものです。光学博物館が設立できれば、それらの足跡をきちんと残し、後世に伝えていくことができると思います。さらに、光学博物館のもう一つ重要な点は、日本における光学人材育成や光学業界ネットワークの拠点になりうることです。
日本の光学産業は、いま変革の時期を迎えています。少し前までは、大手の光学メーカーが多数の光学技術者を抱え、人材育成も社内で行うなど、ある意味閉ざされたところに多くの光学技術者がいて、日本の光学産業を支える構図になっていたと思います。今は光学技術のすそ野が大きく拡がり、これまで光学に関わりの薄かった多くの方々も光学技術を学ぶ必要に迫られています。例えば、光学技術や光学設計を学ぶセミナーには多くの方々が参加しておられ、その必要性がわかります。
今、我々の身の回りには、カメラや顕微鏡等の旧来の光学機器だけでなく、スマートフォン、プロジェクター、VRゴーグル、LED照明、LiDAR等々、数多くの光学機器があふれていますし、次々と新しいものも登場しています。人は視覚からの多くの情報を得ている、また光には大量の情報を伝えるポテンシャルがあると考えると、光学機器がなくなることはないと思います。それらの光学機器開発で日本が遅れをとらないためには、光学技術者の育成は不可欠です。しかし、日本の大学には、光学技術を専門に教えるところが少ないこともあり、すそ野が拡がる光学技術を支える人材の育成場所の拡大が必要となっています。光学博物館は、その拠点になれると考えています。
光学博物館設立準備産学連携専門委員会組織
委員長(代表):槌田博文(チームオプト株式会社)
副委員長:山口進(コニカミノルタ株式会社)
幹事:構築中
委員:構築中
賛助会員
チームオプト株式会社
日本特殊光学樹脂株式会社
株式会社ルケオ
*50音順
これまでの取り組み経緯
- 2024年4月
- 日本光学会傘下に、光学博物館準備委員会(正式名称:光学博物館設立準備産学連携専門委員会)が組織され、活動を開始
- 2024年11月
- 第28回いたばし産業見本市の会場にて、光学博物館設立PRイベントとして、立体映像展示等を実施
- 2025年7月
- マイドームおおさかにて開催された、オプトロニクス社主催光・レーザー関西2025にて、光学博物館PRイベントとして、特設会場での、TMTミラーや立体映像の展示や光学博物館トークを実施